仙台ロフトMUJIBOOKS店内で毎日お伝えしている
「今日のずっといい言葉」から、特に印象的だった
言葉を月替わりでお届けします。
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『トムは真夜中の庭で』
発行:岩波少年文庫 作者:フィリパ・ピアス著 高杉一郎訳
代表作に『真夜中のパーティー』や、『ペットネズミ大さわぎ』などが挙げられるイギリスの児童文学作家のフィリパ・ピアス。彼女の織り成す数々の「夜」の物語には幻想的でノスタルジックな空気が漂っています。
今回ご紹介するのも、どこか涼やかで、何だかわくわくする一文です。
「夜とひるのあいだには、自然が眠っている時間がある。その時間を見ることができるのは、早おきの人たちか、夜どおし旅をつづける人たちだけだ。」
(本文63ページより)
トムが縦断する時間の連続性と同時に混ざりあった様子が,叙情的かつユーモアを交えて見事に表されています。
知り合いの家にあずけられて、友だちもなく退屈しきっていたトムは、真夜中に古時計が13も時を打つのをきき、昼間はなかったはずの庭園に誘い出されて、ヴィクトリア時代のふしぎな少女ハティと友だちになります。「時間」という抽象的な問題と取り組みながら、理屈っぽさを全く感じさせない、カーネギー賞受賞の傑作です。
(岩波書店公式HPから引用)
作中の舞台である庭園には、生い茂る様々な草木が登場します。それが読み手を、薄暗いもやのかかった物語のなかへと引き込むようで、トムとともに不思議な体験をしているような感覚になります。
夏の夜にゆっくりと読むのにお勧めしたい一冊です。是非お手に取ってご覧くださいませ。
仙台ロフト MUJIBOOKS担当
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