この『フィルパワー』って一体なんなのでしょうか。
こどものころよく観たアニメや特撮などの戦隊ヒーローたちが変身する時に使うパワーの一種、ではありません。
今日はこの『フィルパワー』についてお話しようと思います。
まずはじめに、アウターや羽毛布団などに使われる『ダウン』と『フェザー』の違いを知るところから。
『ダウン』とは、水鳥の胸から腹部にかけて多くみられるタンポポの綿毛のような羽毛のことです。
軽く、やわらかく、保温性に優れているのが特長です。
『フェザー』とは、水鳥の羽根部分のことで、湾曲した羽軸を持ち、弾力性があるのが特長です。
ダウンジャケットや羽毛布団などは、この『ダウン』と『フェザー』を混ぜてつくります。
この混ぜている『ダウン』の割合が大きいとよりあたたかいと言われています。
無印良品の軽量ダウンシリーズは、ダウン90%、フェザー10%の配合です。
ダウン混率がかなり高いですね。
暖かさを左右するのは、ダウンの含まれる割合だけではありません。
ダウンの“質”もとても大切。
そこで登場するのが、『フィルパワー』です。
『フィルパワー』とは、ダウンが持つ「かさ高」を数値で表記する際に用いられる単位のこと。
750フィルパワーは、30gの羽毛が750立方インチの体積に膨らんでいることを表しています。
この値が大きければ大きいほど、含まれる空気の量が多くなります。
一般的に、服を着ていてあたたかいと感じる感覚は、服と肌の間にある空気層によると言われています。
この空気層があたたかければ、あたたかいと感じることができます。
あたたかい空気層がたくさんあればあるほどあたたかいと感じるということですね。
機能性インナーなど一部の衣料品を除いて、ゆったりした服はぴったりとした服に比べてこの空気層が多くなるのであたたかいと感じます。
すずしく感じることについても同様のことが言えるので、ぴったりした服よりもゆったりした服の方が夏は涼しく感じます。
話がそれましたが、含まれる空気の量が多いということは、あったかい空気を多くふくむことができるということです。
『フィルパワー』の値が大きければ大きいほど、保温性の高いダウンはよりあたたかいということです。
ちなみに、『フィルパワー』の値が600あれば良質、700を超えると高品質と言われています。
無印良品の軽量ダウンシリーズの『フィルパワー』は750です。
ぜひ、冬のアウター選びの参考にしてみてください。
わたしは、一昨年の冬、軽量ダウンデビューしました。
今までなんとなく得意ではなかったダウンのアウターが着てみたらとてもあたたかくて軽くて気持ちが良い。
秋の涼しい日から、真冬の寒い日、春先の冷えが残っている日、着こなし次第で様々な日に対応してくれました。
外着としてはもちろん、室内着としてもあたたかくて動きやすくていいです。
欠点があるとすれば、あたたかくてふわっとした気持ち良さで眠くなること。
それくらい気持ちいいのですが、要注意です。
新品には多少劣りますが、一昨年から着ているものも現役で活躍しています。
本当に万能で便利です。
『フィルパワー』と『ダウン』と『フェザー』。
身近だけど、意外と知らないことが多いですよね。
これを知っておくともしかしたら、戦隊ヒーローたちのようにキラキラした笑顔で冬を迎えられるかもしれません。
ぜひ一度この軽さとあたたかさと気持ち良さを試してみてくださいね。
無印良品 名古屋名鉄百貨店